経産省、昨年11月から開催のデジタル市場検討会議論内容を公開
~ヒト・モノ・情報・カネの流れの最適化が実現する様々なサービス・活動~

概要

  • 経済産業省は、2020年10月に「Society5.0の実現に向けたデジタル市場基盤整備会議」を設置し、今後のデジタル市場の基盤整備の方針について、官民の英知を結集すべく、議論を開始。同会議の中では、産業構造転換を促すデジタル市場の基盤整備の取組の方向性の一つの例として、「ヒト・モノ・情報の流れの最適化」が挙げられた。
  • これを受け、経済産業省は、同年11月より「デジタル市場による問題解決と次世代取引基盤に関する検討会」を開催し、有識者の方々の御意見を踏まえ、「デジタル市場に関するディスカッションペーパー ~産業構造の転換による社会的問題の解決と経済成長に向けて~」を取りまとめ、報告書を公表した。

*モニタリング期間:2020年12月1日~2021年1月10日

公表情報タイトル:デジタル市場による問題解決と次世代取引基盤に関する検討会の報告書
「デジタル市場に関するディスカッションペーパー
~産業構造の転換による社会的問題の解決と経済成長に向けて~」

発信元:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 / アーキテクチャ戦略企画室 2021年1月8日

報告書「デジタル市場に関するディスカッションペーパー」について

1 検討会構成メンバー(委員)の特徴

東証マザーズ情報・通信業の金融ウェブサービス、マネーフォワード瀧 俊雄氏や同AIによるMaaSサービス等PKSHA Technology上野山 勝也氏、MaaSサービスを扱うベンチャーMaaS Tech Japan日高 洋祐氏といった新興デジタルサービス企業経営陣に日本総研、法律事務所弁護士、東大マーケットデザインセンター長小島 武仁氏ら8人の委員で構成(他にオブザーバー、事務局)。

2 報告書(ディスカッションペーパーの課題意識)

新型コロナウイルスの感染拡大という足元の脅威と少子高齢化という構造的な危機に鑑み、現状の危機状況を幕末黒船や明治維新にもなぞらえて、デジタル化を未来構築のカギと見、デジタル市場の実現に向けてサービスやインフラの在り方といった事項について議論。とくにインフラとインフラ整備の在り方に重点が置かれている。

3 報告書の要旨

前半では産業の構造変化に関し、デジタル化がデカップリングとリバンドリング(組み合わせ)を加速(図表参照)し、少子高齢時代には従来と異なるサービスの組み合わせが必要であること、デジタル化がサービスを進化させ、とくにモビリティとサービスが高度に融合していくことを論じている。後半ではデジタル市場の構造が従来のフィジカル市場とサイバー市場が多様に最適な構成で組み合わされるサイバーフィジカル市場であること、そこで必要となる法制度やルール、インフラについて論じられている。

図表 デジタル化が促進する産業のデカップリングとリバンドリング


出典)デジタル市場に関するディスカッションペーパー

当社の視点

政府のデジタル化推進の取組みでは、昨年12月に同じ経産省が推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)中間報告も出され、企業の取るべきアクションなどが語られている。 斬新な経営視点を持つ新興デジタル系企業経営陣を委員に据えた今回の議論では、その企業が活動するデジタル市場というものの特性に焦点を当て、議論を深めている。民間企業の創意工夫とその促進策、規制撤廃等が日本のデジタル化にとって重要であろう。

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関連情報

「第1回 Society5.0 の実現に向けたデジタル市場基盤整備会議 議事次第」(20.10.16)
「ビッグデータそしてシステムの連携で築く、新しい社会の設計図を。デジタルアーキテクチャ・デザインセンター」(公式サイト)
「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」(20.12.25)   

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