「’20年代における物流」の在り方について
~国交省が「総合物流施策大綱」検討会にて各方面の有識者から意見を聴取~

概要

  • 現行の「総合物流施策大綱」は20年度が計画期間の最終年度となる。足下の物流をめぐる環境は、労働力不足の深刻化、AI等の最新技術の進化等に加え、コロナ禍影響もあり、様々な大きな変化が生じている。
  • そのため、国交省はこれらの環境変化を織り込んだ「次期総合物流施策大綱」の策定に向け、今後の物流施策の在り方について提言を得ることを目的として、'20年7月~10月までに4回の検討会を開催した(12月に提言をとりまとめ予定)。
  • その過程で「デジタル化」、「標準化」、「働き方改革」等の論点を軸に議論を重ね、さらに関連業界・自治体・研究機関等の有識者による問題提起・提案等を織り込み、'20年代の物流の目指すべき在り方の輪郭が徐々に定まりつつある。

*モニタリング期間:2020年10月1日~10月30日
公表情報タイトル:2020年代の総合物流施策大綱に関する第4回検討会
~次期総合物流施策大綱の策定に向けて~

発信元:国土交通省総合政策局物流政策課他 2020年10月5日

1.検討会における議論の3つのポイント

  1. 物流分野のデジタル化
    ・荷主・配送・顧客の連携、インターフェイスの国際標準化等
  2. 規格の標準化
    ・ソフト・ハード両面の標準化、官民協業による推進等
  3. 働き方改革
    ・'24年導入の時間外労働規制撤廃への対応等

2.物流の在り方に関する提案例(一部)

  1. 日本経済団体連合会
    ・デジタル技術により、サプライチェーン全体を効率化・高度化し、「つながる」、「人を解放する」、「社会に貢献する」物流を実現
  2. 宮崎県西米良村
    ・生活者の視点に立った、地方の住民が住み続けるための施策や、交通・物流の効率化に向けた規制緩和の必要性
    →同村の具体的取り組みとして「ホイホイ便」を紹介

当社の視点

  • 検討会のポイントの1つである「デジタル化」は現行の菅政権により一層の注力・加速化が見込まれる。
  • 一方、「都会・大企業」視点だけに留まらない「地方・交通弱者」視点を加味した、複眼的かつ日本の現実に根差した実効的な施策が求められる。

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