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2021.04.23

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生活様式のニューノーマルと それに対応した移動サービスの考察
全国自動車保有ユーザー調査(2020.10)より

概要

 新型コロナによって人々は移動を大きく制約され、生活様式の変容を求められた。ワクチン接種は開始されたが、新型コロナの終息がいつになるのか、まだまだ不透明であるなか、今後も生活様式の模索が続くであろう。しかし、新型コロナによって変化した生活様式の一部は一定の割合で定着し、その変化に伴う行動様式の醸成が新たな移動のトレンドを形成していくと思われる。

 そこで、弊社現代文化研究所が実施した全国の車保有者へのインターネットモニター調査結果(2020年10月実施、回答者2228名)から新型コロナによる生活・移動様式の変化、地域による移動特性を概観し、ポストコロナの生活様式の変化と移動への影響を考察したい。

1.新型コロナによる生活・移動様式の変化

 新型コロナ感染拡大前と比較して、現在の生活行動の中で「増えたこと」から、「減ったこと」を引いた比率と「今後増やしたい」の比率をみると、オンラインショッピング、キャッシュレス決済の利用が大きく増え、今後も増やしたいとしている。また、車での移動、デリバリーも利用が増加している。

 生活行動を労働、買物・飲食、レジャーの3つに大きく分類すると、労働に関するテレワーク、時差通勤は大きな増加は見られず、ドラスティックな変化はみられない。買物・飲食に関しては、先に述べたとおり、オンライン化が進展した。レジャー・旅行は、移動制限によって大きく減少したが、今後増やしたい意向は非常に高い。(図表1)

図表1. 新型コロナによる生活行動への影響

 労働のデジタル化は地域差がかなり大きく、都市部で増加し、今後の意向も高い。消費のオンライン化は年代や地域による差はほとんどなく、全国的に進展した。車での移動は都市部での増加が大きい。(図表2)

図表2. 新型コロナによる生活行動への影響(年代、地域別)

 次に、移動手段の変化についてみると、徒歩、自転車、自家用車が増加し、今後も増やしたい意向が高い。自家用車の増加は、感染防止の観点からパーソナルな移動空間と使用者が限定されることが選好されているのだろう。

 鉄道、バスといった公共交通機関は、通勤・通学の減少、自治体をまたぐ移動制限による移動自体の減少や、不特定多数が乗合わせる空間への忌避から大きく減少した。(図表3)
 こうした生活行動や移動手段の変化傾向は大都市ほどより顕著である。

図表3. 新型コロナによる移動手段への影響

2.地域別に見た移動特性

 移動様式は地域間差が大きく、今後の変化を見るうえでも、地域別の移動特性を確認しておきたい。
 移動目的別に移動頻度と移動距離をみると、3大都市圏の買物・通院、大型商業施設を除く娯楽の移動は1.5kmの範囲で行われている。人口10万人未満の都市では、2.5km圏に広がる。

 移動頻度は都市部ほど高く、3大都市圏では、週あたりでスーパーマーケットに2.18回、病院に0.65回、飲食店に0.89回移動している。人口10万人未満都市になるとそれぞれ1.91回、0.38回、0.51回となる。(図表4)

図表4. 移動目的別 移動頻度と移動距離(平均)

 また、移動距離と移動手段の特徴をみると、3大都市圏の会社・学校までの距離は500mまでと10km以上に2極化する。このため、短距離通勤・通学者は自転車、バイクが移動手段の主となり、長距離になると鉄道が主と2分している。10万人未満都市の通勤・通学距離は1~3kmの比率が高く、500mまでは徒歩、自転車が移動手段の主だが、それ以上になると車利用が過半数を超え、10km以上の長距離でも8割が車を利用している。

 コンビニ、スーパーマーケット、病院、といった日常よく利用する施設までの移動は、3大都市圏では概ね1km圏内で75%を占め、移動手段は徒歩・自転車が主となる。1km以上になると車利用が主となる。人口10万人未満都市では、100mまでの移動でも5割近くが車を利用し、地方部では近距離の移動でさえ車を利用する傾向が強い。(図表5)

図表5.移動目的別 移動距離と移動手段

3.生活様式のニューノーマルとそれに対応した移動サービスの考察

 ポストコロナの生活様式の潮流として
  ①働き方の変化
  ②消費のデジタル化
  ③衛生志向の高まり
 がポイントになるであろう。

 テレワークという働き方は、都市部を中心に普及し、今後も一定程度常態化されると見込まれる。これによって公共交通機関の分担率の低下は免れないであろう。また、人々の移動頻度は低下し、短距離移動が増加すると見込まれる。さらに、出社の必要性が低くなることで、自由裁量時間の拡大や、郊外移住が増加すれば、家族重視、レジャー志向が拡大し、それに適したミニバン、SUVの選択が拡大する可能性もある。

 都市部では、必要な移動についてはミニマム志向が高まり、自転車やマクロモビリティが選択され、一方で趣味性の高い高級車や多目的用途車を志向する人の2極化傾向が強まるかもしれない。

 地方部では車を主とする移動スタイルは大きく変化しないと見込まれるが、車を持たない世帯や徒歩、自転車での移動すらも困難な高齢者に対してデマンドバスの運行、見守りサービス、給食配布、宅配サービスといった移動や生活を保障するサービスが求められる。

 ネットショッピング、キャッシュレス決済等、消費のデジタル化は地域を問わず定着すると見込まれる。人の移動だけでなく、モノ・サービスの移動を柱にしたビジネスの検討も有効になるであろう。

 また、リアルからオンラインへと販売チャネルの変化が起こり、デジタルでの顧客接点拡大への対応は急務である。今後、顧客接点としてソーシャルメディアの存在感がさらに高まるであろう。

 3密回避の移動手段が選択されるとすれば、当面、徒歩、自転車、自家用車、マイクロモビリティの増加もあるだろう。さらに、そこにオンデマンドな自動運転車が加わる可能性もあり、移動デバイスの多様化が進展すると見込まれる。

 また、パーソナル空間の充実や車内を清潔に保つモノ・サービスのニーズもさらに高まる。

 今後、こうしたポストコロナの移動トレンドにEV化、自動化の加速も加わる可能性も大きく、新しいモビリティ社会の発展を見越し、ビジネスを変化させていくことが求められる。

 但し、先に見た生活様式の変化が今後も定着するのか、新型コロナが終息に向かえば元に戻るのかは、まだ見極めが難しく、ポストコロナの生活様式と移動の変化を引き続き注視していきたい。

 なお弊社現代文化研究所では、商圏分析や、顧客行動分析、マーケティング強化に関する個社単位での支援メニューを提供しており、必要に応じご相談をいただければ幸いである。

 商圏分析では、市区町村別保有予測、地域特性分析、マッピングを活用した店舗統廃合時の影響シミュレーション等のメニューがある。顧客行動分析、マーケティング強化では、インターネット調査、をはじめとする定量調査、インタビュー調査、多変量解析を用いた予測や施策提案、検証といった分析支援メニューを用意している。

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生活様式のニューノーマルと それに対応した移動サービスの考察
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担当: 株式会社 現代文化研究所 主任研究員 松下 小百合

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